お問い合わせ
資料請求

組立編

シリンダの組立前における注意事項(シリーズ共通)

  1. 分解した各部品は、完全に洗浄して下さい。
  2. 分解、洗浄した各部品は一通り入念に点検し、異常の有無を必ず点検して、傷等は修正して下さい。又、修正不可能な部品については新品と取り替えて下さい。
  3. Uパッキン、Oリング等のシール類は注意して点検し、損傷していれば良品と取り替えて下さい。

関連動画

株式会社堀内機械が送る、油圧シリンダメンテナンス動画シリーズです。油圧シリンダのメンテナンス作業で、お困りの方はいませんか? このシリーズでは、メンテナンスにおけるさまざまなお困りごとを 動画で分かりやすく説明、ご案内していきます。ぜひチャンネル登録してください!

☟チャンネル登録はこちらから☟

https://www.youtube.com/channel/UCm6N...

■手順

手順1 ピストン部パッキンのはめ込み。

パッキンの組み込み方法は、下図の通りでシールの方向を誤らないようにして下さい。(図表1参照)

図表1

手順2 チューブガスケットのはめ込み。

図表2

Fシリーズ

ヘッドカバー溝部にOリング(4)を装着して下さい。(図表2参照)

図表3

Tシリーズ

ヘッドカバー溝部にOリング(4-1)、バックアップリング(4-2)を装着して下さい。(図表3参照)

図表4

Kシリーズ

ヘッドカバー溝部に端面シール(4)を装着して下さい。(図表4参照)

手順3 シリンダチューブ内面油塗布

図表5

シリンダチューブの内面に作動油と同種の油を塗布し、ヘッドカバーにはめ込んで下さい。この時シリンダチューブ内にゴミが入らないように注意して下さい。(図表5参照)

手順4 ピストンロッドアッセンブリーを挿入

図表6

シリンダチューブに、ピストン/ピストンロッドアッセンブリーを挿入して下さい。尚、挿入時にパッキンに傷が入らないように充分注意して行って下さい。(図表6参照)

手順5 ロッドカバーはめ込み

図表7

ピストン/ピストンロッドアッセンブリーの挿入が終わりますと、次にロッドカバーをはめ込んで下さい。
この時シリンダチューブからヘッドカバーが離脱しないように注意して行って下さい。(図表7参照)

※注意:ロッドカバーをはめ込む前に、ヘッドカバーと同じようにロッドカバー溝部にOリングを装着した後必ず、グリースを塗布して下さい。

手順6 ロッドブッシュパッキン装着

図表8

ロッドブッシュにOリング(6)及びロッドパッキン、ダストパッキンを装着して下さい。シールの装着時、方向性をまちがわないように注意して下さい。

※注意:Tシリーズには、ロッドパッキンとOリングにバックアップリングが付属される場合あります。(図表8参照)

手順7 シール部グリースを塗布

図表9

ロッドブッシュにシール装着後、シール部にグリースを塗布して下さい。それが完了しますと、ロッドカバーにはめ込みます。
この場合ピストンロッド先端ねじには予めテープ等を巻いてロッドブッシュ内面及びシールに傷が付かないように保護して下さい。
又、ロッドのスパナ掛けにも注意して下さい。(図表9参照)

手順8 締め付け

図表10

タイロッド式

リテーナをはめ込みタイロッド(19)を入れ、六角ナット(20)で締付けて下さい。
締付順は対角に1~8の順番に締め付けて下さい。(図表10参照)。
締め付けトルクは図表11を参照して下さい。

タイロッド(六角穴付ボルト)の締付トルク

タイロッド(六角穴付ボルト)の締付は、タイロッド(六角穴付ボルト)一本だけを一度に固く締付けず、ロッドカバー、ヘッドカバーが傾かないよう4個のナットを平均に上図の番号順に締め、規定トルク迄充分締付けて下さい。又、タイロッド(六角穴付ボルト)の片締めは作動不良やシリンダのビビリ現象の原因となりますので充分注意して下さい。
六角穴付ボルトの締付規定トルクは、図表11を参照して下さい。

図表11 タイロッド・六角穴付ボルト締付規定トルク表

【Fシリーズ】

ナットはJIS B1181(材質:S45C-H)を使用し、規定トルク迄 締め付けて下さい。

シリンダ内径 32 40 50 63 80 100 125 140 150 160 180 200 224 250
タイロッドねじ M8 M10 M10 M12 M16 M18 M22 M24 M27 M27 M30 M33 M39 M42
P1.25 P1.25 P1.25 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5
締付トルク N・m 8.0 23.0 23.0 44.0 100.0 165.0 340.0 460.0 690.0 690.0 970.0 1320.0 1970.0 2650.0

【Tシリーズ】

ナットはJIS B1181(材質:S45C-H)を使用し、規定トルク迄 締め付けて下さい。

シリンダ内径 40 50 63 80 100 125 140 160 180 200 224 250
タイロッドねじ M12 M14 M16 M18 M22 M27 M30 M33 M39 M45 M33 M39
P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5 P1.5
締付トルク N・m 44.0 50.0 100.0 165.0 340.0 690.0 970.0 1320.0 1970.0 2750.0 1320.0 1970.0

【Kシリーズ】

シリンダ内径 32 40 50 63 80 100 125 160
タイロッドねじ M6 M6 M6 M8 M10 M12 M16 M20
P1.0 P1.0 P1.0 P1.0 P1.25 P1.25 P1.5 P1.5
締付トルク N・m 2.0 3.0 4.0 8.0 9.0 17.0 35.0 76.0

【Fシリーズ】

シリンダ内径 63 80 100 125 140 150 160 180 200 224 250
タイロッドねじ M12 M16 M18 M22 M24 M27 M27 M30 M33 M39 M42
P1.75 P2.0 P2.5 P2.5 P3.0 P3.0 P3.0 P3.5 P3.5 P4.0 P4.5
締付トルク N・m 75.0 190.0 260.0 430.0 540.0 800.0 800.0 1080.0 1490.0 2480.0 3050.0

【Tシリーズ】

シリンダ内径 63 80 100 125 140 160 180 200 224 250
タイロッドねじ M16 M18 M22 M27 M30 M33 M39 M45 M33 M39
P2.0 P2.5 P2.5 P3.0 P3.5 P3.5 P4.0 P4.5 P3.5 P4.0
締付トルク N・m 190.0 260.0 430.0 800.0 1080.0 1490.0 2480.0 3840.0 1490.0 2480.0

図表12

チューブフランジ式

リテーナをはめ込み六角穴付ボルト(19)で締め付けて下さい。
締付順は対角に1~8の順番に締め付けて下さい。(図表12参照)

手順9 クッションバルブの組立

Oリング又はニードルガスケットに傷のある場合は良品と取り替えて下さい。

Fシリ-ズφ32~φ125、Tシリ-ズφ40~φ100

(図表13参照)

図表13

(1)クッションプラグにクッションバルブが接する迄ねじ込んで下さい。(左方向)
(2)分解工具を使用してプラグをカバーにはめ込んで下さい。
(3)クッションバルブをねじ込みクッション調整を行って下さい。
(4)クッション調整終了後六角ナットでロックして下さい。

Fシリ-ズφ140~φ250、Tシリーズφ125~φ180

(図表14参照)

図表14

(1)クッションバルブをカバ-に入れて下さい。
(2)クッションバルブをねじ込みクッション調整を行って下さい。
(3)クッション調整終了後ロックして下さい。

Tシリ-ズφ200~φ250

(図表15参照)

図表15

(1)クッションバルブをカバ-に入れて下さい。
(2)クッションバルブをねじ込みクッション調整を行って下さい。
(3)クッション調整終了後ロックして下さい。

Kシリーズφ32~φ80

(図表16参照)

図表16

(1)カバーにガスケットを入れて下さい。
(2)クッションプラグにクッションバルブが接する迄ねじ込んで下さい。(左方向)
(3)スパナを使用してプラグをカバーにねじ込んで下さい。
(4)六角ナットでクッションプラグを固定して下さい。次に、クッション調整終了後、六角ナットでクッションバルブを固定して下さい。

Kシリ-ズφ100~φ160

(図表17参照)

図表17

(1)クッションバルブをカバーに入れて下さい。
(2)ニードルガスケット及び六角ナットをクッションバルブにはめてからクッション調整を行って下さい。
(3)クッション調整終了後六角ナットでロックして下さい。

手順10 エアー抜きバルブの組立

下図のように行って下さい。又、Oリングに傷のある場合は、良品と取り替えて下さい。

クッション付

Fシリ-ズφ32

(図表18参照)

図表18

(1)カバーにガスケットを入れて下さい。
(2)エアー抜きプラグをねじ込んで下さい。
(3)エアー抜きプラグねじ込み完了後、鋼球を入れ、次にエアー抜きボルトを入れ、六角棒レンチできつくねじ込んで下さい。

Fシリ-ズφ40~φ250、Tシリーズφ40~φ250

(図表19参照)

図表19

(1)カバーに鋼球を入れ、次にスプリングを入れて下さい。
(2)エアー抜きをねじ込んで下さい。
(3)エアー抜きプラグねじ込み完了後、鋼球を入れ、次にエアー抜きボルトを入れ、六角棒スパナできつくねじ込んで下さい。

Kシリーズφ32~φ160

(図表20参照)

図表20

(1)カバーに鋼球及びバルブガスッケットを入れ、次にスプリングを入れて下さい。
(2)チェックプラグをねじ込んで下さい。
(3)六角棒レンチでチェックプラグをきつくねじ込んで下さい。

クッションなし

Fシリーズφ32~φ250、Tシリーズφ40~φ250、Kシリーズφ32~φ160

(図表21参照)

図表21

(1)カバーに鋼球を入れて下さい。
(2)エアー抜きボルトをねじ込んで下さい。
(3)六角棒レンチでエアー抜きボルトをきつくねじ込んで下さい。

手順11 チェックバルブの組立

下図のように行って下さい。又、Oリングに傷のある場合は良品と取り替えて下さい。

Fシリ-ズφ32

(図表22参照)

図表22

(1)カバーに鋼球を入れ、次にスプリングを入れて下さい。
(2)チェックプラブをねじ込んで下さい。
(3)チェックプラグをスパナできつくねじ込んで下さい。

Fシリ-ズφ40~φ250、Tシリーズφ40~φ250

(図表23参照)

図表23

(1)カバーに鋼球を入れ、次にスプリングを入れて下さい。
(2)チェックプラブをねじ込んで下さい。
(3)チェックプラグを六角棒レンチできつくねじ込んで下さい。

Kシリ-ズφ32~φ160

(図表24参照)

図表24

(1)カバーに鋼球及びバルブガスケットを入れ、次にスプリングを入れて下さい。
(2)チェックプラブをねじ込んで下さい。
(3)六角棒レンチでチェックプラグをきつくねじ込んで下さい。

シリンダの取付上の注意事項

はじめに

シリンダの性能を充分に発揮し、長時間の使用に耐えるため次の点に注意して取付、取り扱いして下さい。
又、負荷はロッドの座屈荷重以下にして下さい。

連結金具

シリンダの負荷と連結金具は下図1.2の状態にならない様に充分注意して下さい。(図表26参照)

図表26

又、ストロークが長い場合には、クレビスまたはナックル式(下図3)、球面ブッシュ式(下図4)が適しています。 (図表27参照)

フート形シリンダ(LA・LB・LC)

図表28

フート形シリンダの取付は一般に締付ボルトで行っていますが、負荷を受けた場合の横移動に対し完全とはいえません。そのため取付ベース側にストッパーを設けて下さい。(図表28参照)

フランジ形(FA・FB・FC・FD)

(図表29参照)

図表29

トラニオン形シリンダ(TC・TA)

下図 (b)の場合はトラニオン軸に曲げモーメントが生じトラニオン金具に悪影響を及ぼします。(図表30参照)

図表30

クレビス形シリンダ(CA・CB)

クレビス形の使用において長いストロークで水平取付の場合は、ピストンロッドにシリンダの自重がかかりブッシュまたはピストンにこじれを生じブッシュの早期摩耗、チューブとピストンの摺動面に焼付かじり現象が生じます。
尚、ロッドのたわみによる“く”の字折れ現象によりロッドの座屈強度を減少させますので水平取付は避けて下さい。

※注意:長いストロークで水平取付の場合は別途御相談下さい。

組立完成品の油圧シリンダに対する注意事項

  1. ピストンロッド部にはシールに有害な液体、塩素系ガス等がかからないようにして下さい。
  2. ピストンロッド部にはペンキ等を塗らないで下さい。

関連動画